外国人患者さんをムッとさせてしまった失敗談

私は、都内の国際病院の産婦人科病棟で助産師として勤務していました。

そこには、英語での対応と質の高い医療を求めてたくさんの外国人患者さんが来院され、私も日本語を話さない患者さんを担当することが多くありました。

その経験の中から、入職当初に一組の外国人患者さんをムッとさせてしまったある出来事をお話しさせてください。

スムーズな経過、良好な関係

日勤にて、和痛分娩希望で日本語を話さない英語圏出身のその方を受け持つことになりました。

硬膜外麻酔が入り、陣痛の痛みを緩和させながら、私はいつもの様にその方に寄り添ったケアを心がけて過ごしました。

2回目の出産ということもあり、出産立ち会い希望のご主人もいっしょに、終始和やかな雰囲気でスムーズに経過していきました。

ご夫婦ともに、英語で何の問題もなくコミュニケーションが取れること、痛みなくスムーズな経過がたどれていることを喜んでくれていました。

そして、大きな女の子の赤ちゃんが元気に生まれてきてくれました。

私は二人のがんばりを労い、喜びを分かち合いました。

患者さんがムッとした瞬間

赤ちゃんは、HFD(Heavy For Date)でした。

出生後に血糖値が下がってしまうことがあるため、血糖値を測る必要がありました。

私はこのことを、二人にシンプルに伝えたくて、こう言いました。

She is too big, so we need to check her blood sugar.”

その瞬間、二人の表情が曇りました。

二人ともムッとした表情で、その場の空気が一瞬凍りました。そして、こう言ったのです。

Too big? What do you mean TOO BIG?

私は、すぐに言い方を変えました。

“She is a little bit over the average weight.”

そうすると、お二人の表情は和らぎ納得してくれた様子でした。

何がいけなかった?

さて、何がそんなに彼らを不快にさせたのか、その時の私には分かりませんでした。

“”too big”

bigを強調するために使っただけなのに・・・。 ダメ?

後から調べると、”too” は形容詞や副詞の前の置いて、確かに言葉を強調する目的で使います。

しかし、”so” や “very” とは違って、ネガティブな意味が含まれている様なのです。

「あまりに〇〇過ぎる」「過剰だ」といった意味なので、

私は、「彼女(あなたの赤ちゃん)はあまりに大き過ぎ=太りすぎている。と言ってしまっていたのです!

生まれてきたかわいい我が子を太り過ぎなんて言われたら、それはムッとするよな・・・とそこではじめて気づいたのです。

そいうえば、日常会話でも、言葉を強調する目的で、”too” を “so” や “very” のように使っていたな・・・と思い返しました。

それ以降、”too” の使い方には注意しよう、と学んだのでした。

まとめ

言葉を強調するために使う “too” は、「あまりに〇〇過ぎる」とネガティブな意味を持つ。

「赤ちゃんは週数に対して少し大きめなので、血糖測定が必要です。」と言いたい時は、

“She/He is a little bit over the average weight, so we need to check her/his blood sugar.”

“Her/His weight is a little bit heavy for date, so we need her/his blood sample.”

などと説明すると理解が得られると思います。

ちなみに、

HFD(Heavy For Date)  在胎週数に対して体重が重い

AFD(Appropriate For Date ) 在胎週数に対して適正体重

LFD(Light For Date) 在胎週数に対して体重が軽い  です。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

みなさんが外国人患者さんと関わる上で、少しでも助けになればうれしいです。

 

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