外国人患者さんに気持ちが伝わる「ありがとう」の言い方

ありがとう。= Thank you.

私たち日本人にとって、最も使いやすくなじみのある言葉の一つです。

礼儀正しく「ありがとう」。身の回りの人や物・できごとに感謝し、その思いを表出できる私たちの文化は誇らしいものだと感じます。

しかし、外国人にとって、”Thank you. Thank you.” だけを多用することは、少し不自然に感じることもあるようです。

Thank you for what?

これは、私がオーストラリア・シドニーに滞在中のエピソードです。

1ヶ月のホームステイを終え、シェアハウスでの初めての生活がはじまりました。

そこは、開放的な海が広がるボンダイビーチ近くのマンション。

2LDKの部屋にオーストラリア人・イタリア人・ブラジル人・フランス人と国籍の違うシェアメイトが住んでいました。

英語は全く話せませんでしたが、この海外っぽい魅力的な住環境に胸を弾ませ、シェアハウスでの生活がスタートしました。

引っ越し初日の夜のことです。

部屋に一つしかない5人共用のシャワーを、みんなが私にいちばんに使わせてくれました。

シャワーを終え、みんなのいるリビングに戻り、私は笑顔で

”Thank you.”

と言いました。

その瞬間、全員が私の方を見て「・・・・。」

沈黙の後、フランス人の女の子が、

”For what?”

と言ってきたのです。

「何に対して?」と言われた私は、悲しくも得意の愛想笑いでその場をしのぎました。

その後も、その子ともみんなとも仲良く話したり出かけたりしていたので、決してその子がいじわるで発した言葉ではないと思いました。

ただ、私が発した「ありがとう。」が、何に対してなのか伝わっていなかったのです。

その時の「ありがとう。」には、「5人共用のシャワーを新入りの私に最初に使わせてくれてありがとう。」の意味が含まれていました。

そんなこと英語でとっさに伝えられるわけもなく、苦い思い出となりました。

Thank you for 〇〇.

何に対して「ありがとう。」なのか具体的に伝えることは、感謝の気持ちを相手に伝えるために大切なことです。

Thank you for の後には、動名詞または名詞が入ります。

実際に患者さんとの関わる場面の例をあげてみましょう。

Thank you for 動名詞.

for waiting.   お待たせしました(直訳:お待ちいただきありがとう)。

for coming.   来てくれてありがとう。

for telling me.  教えてくれててありがとう。

for explaining to me.  詳しく説明してくれてありがとう。

Thank you for 名詞.

for your patience.   お待たせしました(直訳:辛抱してくれてありがとう)。

for your time.     時間をくれてありがとう。

for your cooperation.   協力してくれてありがとう。

for your kindness.   親切にしてくれてありがとう。

for everything.      いろいろとありがとう。

「お待たせしました。」と言いたい時、「待たせて申し訳ない。」という気持ちから、私たちはつい ”Sorry” と言いがちです。

本当に長く待たせてしまっている場合は謝罪が必要ですが、そうでなければ謝る代わりに上記のような「お待ちいただきありがとう。」を使うことがおすすめです。

状況によりますが、申し訳なさそうに謝られたら怒りたくなるかもしれませんが、先に感謝されれば怒る気も失せてしまうかもしれませんので。

 

また、for 〇〇. がすぐに出てこない時は、

”Thank you, 相手の名前.” 

とすると、よりお互いの距離が縮まる感じがするのでおすすめです。

Thank you. のレベル分け

相手に感謝を伝えたい時、Thank you. 以外にもいろいろな表現があるので、それぞれみてみましょう。

上から順にカジュアル→フォーマルな表現となります。

Thanks.=ありがと。

カジュアル。友達間や親しい仲で使うため、患者さんにはあまり使うことがない言い方かもしれません。メールなどでは、省略してThx.と書いたりもします。

Thanks a lot.=どうもありがと。

カジュアル。友達間や親しい仲、ウエイターさんに対して使ったりする人もいます。

Thank you.=ありがとう。

スタンダード。for 〇〇. をつなげると、より気持ちが伝わる。相手の名前(ファーストネーム)を言うのも良い。

Thank you so much.=本当にどうもありがとう。

so は話し言葉で使うので、very と比べると少しカジュアルな印象。何かしてもらって、自分がとてもうれしい時、so の部分に思いを込めてよく使う。

Thank you very much.=本当にどうもありがとう。

何かに感謝する時に使える丁寧で一般的な表現。Than you. と同様、for 〇〇をつなげると、より気持ちが伝わる。

➕ I really appreciate it.=本当に感謝しています。

Thank you ではじまる文章の次にこれを入れると、より感謝レベルが上がります!

おまけ

Thank you. に関連して、余談ですが・・・。

TGIF

Thank God, It’s Friday!!  「神様ありがとう、金曜日だ〜!!」

の頭文字をとったもので、読み方はそのまま「ティージーアイエフ」です。

英語圏でのスラングなので、患者さんに対してやフォーマルな場では使えないのですが、日本でいう『華金』ですね。

「今週もお疲れ様!」みたいな意味で使用したりもします。

シフトワークの私たちには、なじみが薄い感覚かもしれませんが。

看護職のみなさん、学生さん、いつもお仕事お勉強お疲れ様です。

今回も、最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

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